腰と背中の痛みを楽にするには、身体を動かすのが一番です。ここでは、活動的な日々をおくるのに役立つヒントをご紹介します。
動く喜びを取り戻す!
多くの人が腰と背中に痛みを抱えています。腰と背中は、痛みが出る割合が最も高い部位なのです。
痛みがあれば、誰でも動きたくなくなります。痛いのですから当然です。しかし、毎日身体を動かすことは痛みをコントロールし、さらに予防するのに最もよい方法です。最初は辛いこともありますが、続ける価値はあります。身体がこわばるのを防ぎ、筋力を維持し、回復が促進されます。
少しづつでもエクササイズや運動をすれば、腰や背中の痛みが和らぐかもしれません。痛いからといってためらわず、ぜひチャレンジしてみましょう。
歩く
ウォーキングなど、関節に強い負荷をかけない有酸素運動は、腰の痛みを和らげるのに効果があります。簡単でお金もかからず、日常生活に手軽に取り入れることができます。通勤や買い物の際には歩くようにしましょう。歩くことで、筋力がつき、姿勢がよくなり、背骨の安定性が増します。
休憩をとる
仕事などで長時間座っていると、腰に負荷がかかり、腰痛の原因となります。負荷を減らすためにも、適度に休憩をとり、立って歩くようにしましょう。
ストレッチをする
首から腰にかけて伸びる背骨(脊柱)は、構造的に動くようにできていますので、動きが制限されると、痛みが悪化します。ぜひ簡単なストレッチを試してみてください。背中と腰の痛みが和らぎ、動きがよくなります。その際は、ゆっくりとおこない、決して無理をしないようにしてください。また、ストレッチボードなどを利用しておこなう場合は、ぐらつきがなく安定したものを使用するようにしましょう。

ご存知ですか?
脊柱は、アルファベットのSの形に湾曲しており、歩いたり走ったりしたときの衝撃から頭部を守っています。全部で33個の脊椎で構成されています。*
背中を丸めるストレッチ
- 仰向けに寝て、両脚を抱え込んで胸のほうに引き上げます。
- 苦しくない程度にあごを引いて、顔をひざに近づけるようにして体を丸めます。
- 20秒から30秒この姿勢を保持します。
- これを5回から10回繰り返します。
ひざを胸に近づけるストレッチ
- 仰向けに寝て、両膝を立てます
- 片方の膝の裏に両手をあてがい、できるだけ胸につくように引き上げます。
- その姿勢を20秒から30秒保持し、終わったらもう片方の膝も同様に行います。
- これを、5回から10回繰り返します。
泳ぐ
水泳は、背中や腰の痛みを和らげるのに最適です。脊柱に垂直方向の負荷がかからず、水の浮力のおかげで体重による負担が減るからです。それでも、水の蹴り方によっては背中や首に負担がかかることもあるので、水泳を行う際は、理学療法士やトレーナーのアドバイスに従うことが重要です。
*BBC Science & Nature - Human Body and Mind - Skeleton Layer. 2016. BBC Science & Nature - Human Body and Mind - Skeleton Layer. [ONLINE] Available at: http://www.bbc.co.uk/science/humanbody/body/factfiles/spine/lumbar_vertebrae.shtml. [Accessed 20 April 2016]
体幹を鍛えるストレッチ
体幹(お腹から背中、骨盤にかけての胴回り)の筋肉を鍛えると、腰の痛みが和らぎ、身体の安定性とバランスを保つ力が高まります。この体幹エクササイズは、インナーマッスルを鍛えることで骨盤を支える筋肉を強化し、腰と背中の痛みを和らげます。
インナーマッスルの鍛え方

- 小さめの平たいクッションか本を枕にして、仰向けになります。
- 膝を立て、骨盤の広さだけ足を開きます。
- 上半身の力を抜き、顎を軽く引きます。
- 息を吐きながら、骨盤と下腹部の筋肉を緊張させます。
- 力を入れすぎないよう、優しく筋肉を収縮させることがポイントです。
- 息は5秒から10秒かけて吐き、吐き終わったら力を抜きます。
- これを5回繰り返します。
どのエクササイズも、理学療法士やトレーナーに事前チェックをしてもらいましょう。運動の途中で激しい痛みや突然の痛みを感じたら、直ちに運動をストップし、医師に相談してください。
**Global Pain Index Summary Report 2014. Available: www.global-pain-index.com. Last accessed 20th April 2016